「Peppol(ペポル)って結局何?」 ~2030年の経理を考える【第2回】~

前回の記事では、
「2026年のPeppolは、2018年頃のインボイス制度によく似た状況かもしれません。」
というお話をしました。
今回は、
「そもそもPeppolとは何なのか?」
を、できるだけ専門用語を使わずにご説明します。
Peppolとは「請求書を送るための共通ルール」です
例えば、電話には共通のルールがあります。
ドコモ同士だけでなく、
• ドコモ
• au
• ソフトバンク
• 楽天モバイル
どの会社を使っていても電話できます。
これは共通のルールがあるからです。
Peppolもこれとよく似ています。
会社ごとに違う請求書ソフトを使っていても、
共通ルール(Peppol)に対応していれば、お互いにデータで請求書を送受信できます。
つまり、
「請求書の共通言語」
のようなものです。
今までの請求書との違い
現在、多くの会社では
• 紙
• PDF
• メール添付
で請求書を受け取っています。
受け取った後は、経理担当者が
• 金額を確認し
• 会計ソフトへ入力し
• 支払データを作成し
• 保存する
という作業をしています。
一方、Peppolでは、請求書そのものがデータで届きます。
そのため、
• 金額
• 請求日
• 消費税
• 取引先
などの情報を、システムが自動で読み取ることができます。
人が入力する作業が大幅に減る可能性があります。
社長にとって何が変わるのでしょうか
「経理の話だから、自分には関係ない。」
そう思われる社長さんも多いかもしれません。
しかし、私は経営にも少しずつ影響してくると考えています。
例えば、
① 請求書の処理が早くなる
請求書を受け取ってから支払うまでの時間が短くなります。
月末に経理担当者が残業して入力する、といった仕事も減っていくかもしれません。
② ミスが減る
紙やPDFから入力すると、
• 入力間違い
• 消費税区分の誤り
• 金額の入力ミス
などが起こることがあります。
データで受け取ることで、こうしたミスは減少すると考えられます。
③ 大企業との取引では対応を求められる可能性がある
現在はまだ少ないですが、
将来、
「請求書はPeppolで送ってください。」
と言われる会社が増えてくるかもしれません。
特に、
• 製造業
• 建設業
• 医療関係
• 商社
など、大企業と取引のある会社は影響を受ける可能性があります。
経理の仕事はどう変わるのでしょうか
ここが一番大きなポイントです。
今まで経理の仕事は、
「入力すること」
が中心でした。
しかし今後は、
入力ではなく、
「確認すること」
が中心になるかもしれません。
例えば、
今まで
請求書を見ながら入力
だった仕事が、
これからは
システムが作成したデータを確認する
仕事へ変わっていきます。
つまり、
「入力担当者」
から
「チェック担当者」
へ役割が変わっていく可能性があります。
そしてAIが加わると…
ここにAIが組み合わさると、さらに変化が起こります。
例えば、
Peppolで受信した請求書を、
AIが
• 勘定科目
• 消費税区分
• 部門
まで提案してくれる時代が近づいています。
経理担当者は、
その内容を確認するだけ。
そんな会社も増えていくでしょう。
税理士の仕事も変わります
これは私たち税理士にも同じことが言えます。
これまで価値があった
「帳簿を作る仕事」
は、
AIやデータ連携によって自動化が進みます。
一方で、
今後さらに求められるのは、
• 節税の提案
• 資金繰りの相談
• 利益改善のアドバイス
• 相続対策
• 事業承継
など、
「経営を支える仕事」
ではないでしょうか。
今すぐ心配する必要はありません
この記事を読んで、
「すぐにPeppolを導入しなければ。」
と思う必要はありません。
2026年現在では、まだ対応を求められる会社は多くありません。
ただ、
数年後に取引先から
「Peppolで送ってください。」
と言われた時に、
「それなら対応できます。」
と言える会社は、
変化への対応が早い会社でもあります。
次回予告
次回は、
「Peppolと銀行APIがつながると、経理はどう変わるのか?」
をテーマに、
2030年頃の経理業務を少し未来予想しながらお話ししたいと思います。
もしかすると、
「帳簿を入力する」
という仕事自体が、大きく変わっているかもしれません。


